女優の今田美桜が主演を務める連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、朝田家の次女・蘭子を演じている河合優実にインタビュー。『アンパンマン』の思い出や好きなキャラクターなどについて話を聞いた。
112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、アンパンマンを生み出したやなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じ、脚本は中園ミホ氏が手掛けている。
河合は『アンパンマン』について「小さいときに一緒に育っていくような、どこかしらで絶対に触れているという感覚」だと言い、「気づかないうちに慣れ親しんでいて、子供の頃に家にあったおもちゃや絵本の記憶が特に強いです」と思い出を振り返った。
脚本の中園氏は、登場人物すべて『アンパンマン』のキャラクターを当てはめて書いており、蘭子はロールパンナがモデルとなっている。
河合は「ロールパンナがすごく好きになりました」とにっこり。「人間味がすごくある。子供向けアニメのキャラクターなのに、正義と悪の心を併せ持っているというのが面白い設定だなと思うし、孤高の存在というところもかっこいいなと思います」と魅力を語る。
ドキンちゃん(のぶ)、ロールパンナ(蘭子)、メロンパンナ(メイコ)のカラーの衣装に
印象的な蘭子の青い着物については「本当にかわいい着物がたくさんあって、ドキンちゃん(のぶ)、ロールパンナ(蘭子)、メロンパンナ(メイコ)という、それぞれのカラーで選んでくださっています」と説明。「一貫して青を着ているので、半年間見るドラマとして、キャラクターのはっきりしたイメージがみんなの頭に残っていくところが素敵だなと思います」と話した。
また、「時代が進むと着物ではなくなっていくので、何十年ものスパンでお芝居をする助けになります」と衣装の変化が演技にもプラスになると言い、「この年代のときに着物ではなくもんぺを履きはじめたんだ、もんぺを脱いだらスカートやズボンを履くようになるんだ、という時代の感覚を実感することができます」と語った。
さらに、「所作の面では、着物の力がとにかく大きい。着物を着ていると自然と出る仕草や姿勢があるということを初めて知りました」と新たな発見も。映画『八犬伝』(24)でも着物を着ていたが、そのときとは違う感覚で「全く新しい挑戦」だと言い、「家の中のシーンがとても多く、着物を着ている人として生活感を出すということが難しかったのですが、立って座って歩いて、ご飯を食べて、という基本的なところは、最初より体に染み込んできました」と変化を明かした。
2000年12月19日生まれ。東京都出身。2019年にデビューし、映画『由宇子の天秤』『サマーフィルムにのって』(21)での演技が評価され、各賞の新人賞などを受賞。2024年1月に放送されたドラマ『不適切にもほどがある!』で話題を集めた。主演映画『ナミビアの砂漠』『あんのこと』で第67回ブルーリボン賞、第98回キネマ旬報ベスト・テンなどで主演女優賞を受賞。近年の出演作にドラマ『RoOT / ルート』、劇場アニメ『ルックバック』、映画『敵』『悪い夏』『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』など。2025年度前期の連続テレビ小説『あんぱん』で朝ドラ初出演。映画『ルノワール』が6月20日公開予定。
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