キオクシア、アイオーコア、京セラの3社は4月8日、光インタフェースを採用した広帯域SSDを開発発表。前世代比2倍の帯域となるPCIe 5.0インタフェースを採用した試作機での動作確認を行った。
広帯域光SSDは、次世代グリーンデータセンターへの導入をめざして開発しているもの。3社は今回、キオクシアの広帯域SSDのプロトタイプと、アイオーコアの光トランシーバー「IOCore」、京セラの光電気集積モジュール「OPTINITY」を組み合わせたシステムを開発。PCIe 4.0対応の前世代プロトタイプと比べて2倍の帯域となる、PCIe 5.0(32GT/s×4)の高速インタフェースでの動作を確認した。
次世代グリーンデータセンターでは、データセンター内に設置される機器の電気配線を光配線化し、広帯域光SSDを使用することで、高い信号品質を保ちながらシステムの省エネ化や、デバイス間の物理的距離の拡大などを可能にする。デジタルサービスの多様化や、生成AIの進化により、複雑で大量の高速データ処理が必要になるデータセンターのシステム設計の柔軟性や効率性に寄与することをめざしている。
今回の成果は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業である「グリーンイノベーション基金事業/次世代デジタルインフラの構築/次世代グリーンデータセンター技術開発」(JPNP21029) の結果、得られたもの。同事業では、現在のデータセンター比で40%以上の省エネの実現を目標として次世代技術の開発を行っており、キオクシアは広帯域光SSD、アイオーコアは光電融合デバイス、京セラは光電集積デバイスパッケージの開発を進めている。
3社は、生成AIなどの大量のデータの高速処理を必要とする、先進的なアプリケーションへの適合性を高める技術の開発と共に、将来の社会実装に向けた実証試験への適用を進めるとしている。