半導体市場調査およびリバースエンジニア会社である加TechInsightsが2024年の半導体企業売上高ランキングトップ25(確定版)を同社の会員向けに発表した。
同社の半導体企業ランキングの特徴は、買収した半導体市場調査会社IC Insightsの調査方針に基づく形でファウンドリを含めて集計している点。このため、全体の売上高は他社のものよりも増すが、逆にファウンドリの市場規模を知るには好都合なものとなっている。
ランキング対象企業にはファウンドリのほか、IDMとファブレスを含むがAppleのようなシステムメーカーの自社消費向け売上高は含んでいない。
AI関連のみが大きく成長
2024年は、AI関連市場の動きが目立った年と言え、AI関連半導体サプライヤの多くが高い成長率を見せた一方、ほかの市場セグメントに軸足を置く企業の多くは、売上高の伸びが微増あるいはマイナス成長となっている。売り上げ規模は上位16社までが100億ドルを超えているほか、トップのNVIDIAは半導体業界初の1000億ドル超えを記録した。
同レポートでは、前年比2桁%の成長率を達成したのは11社、1桁%成長率が3社、マイナス成長は11社としている。また、上位25社を半導体企業の本社所在地別分類で見ると、米国13社、台湾、日本、欧州が各3社ずつ、韓国2社、中国1社となる。
圧倒的な強さを見せたNVIDIA
企業別に2024年の売上高を見ると、NVIDIAはAI半導体の需要の高まりにより2023年の4位から一気に首位へと躍り出た。同社は過去5年の間に首位を獲得した4社目の企業となった。
メモリ大手3社(Samsung Electronics、SK hynix、Micron Technology)もAI向けとなるHBMやフラッシュメモリの堅調な需要を背景に高い成長率を達成。NAND専業のキオクシアも同65%増、Western Digital(WD)/SanDiskも同22%増と好調だった。ただし、Samsungはファウンドリ事業における先端プロセスの歩留まり低迷などの影響から、SK hynixやMicronと比べて低い成長率にとどまっている。
NVIDIAならびにメモリベンダ以外の上位25位企業の多く、特にマイコンやアナログ半導体をメインとする企業は売上高の伸びが鈍化傾向となった。
日本企業は3社がランクイン
トップ10に新たに入ったのはMicronとMediaTekで、代わりにInfineon TechnologiesとTexas Instrumentsが11位以下に転落した。また、25社に新たにランクインしたのがWD/SanDiskで21位につけた。