AIサーバーや高性能コンピューターの需要拡大とともにガラス基板の開発が進んでいる。大型化するGPUやチップレットの実装に必須とされるガラス基板だが、実用化には導通をとるための貫通微細孔(TGV)の形成と、異種材料をしっかりと密着する接続技術の開発がカギを握る。
いずれの課題にも、精密加工とニッチな先端材料という日本の得意分野が生かせるだけに、関連企業は「米ロジック大手が熱心。もうゴールは見えているし、どんどん話が決まっている」と鼻息が荒い。
再び高まる、ガラス基板の実用化機運
インテルの前CEOであるパット・ゲルシンガー氏がまだ最高技術責任者(CTO)だったころから提唱していたのが「ガラス基板」だ。チップサイズの大型化によって、口径300mmシリコンウエハー1枚で数個という収率になってしまっては生産性が上がらないとあって、再びガラス基板の実用化機運が高まっている。
こうした動きにいち早く反応したのが台湾勢だ。「SEMICON Taiwan 2023」では早くも、群創光電(イノラックス)のフラットパネルディスプレイ(FPD)向けガラス基板を使って試作した、ロジックチップ実装のガラス基板のデモを行っていた。